(代筆日記/神藏美子)
梅ヶ丘の歯医者さんに、自転車で出かける。ウチから、梅ヶ丘へ、くねくねと住宅地をぬける途中には、ウィンザーハイム豪徳寺の前を通る。ウィンザーハイム豪徳寺は、荒木経惟さんの古城というべき、お住まい。もうしばらくで、立ち退きされることになっている、古いマンションである。荒木さんが、なんども撮っている、マンションの入口を、自転車を停めて写す。裏にまわって、古城のようすもみてみる。ここに、世界の天才が住んでいるのだ、バルコニーのある方から、マンンションを見上げる。最近、出版された荒木さんの「天才アラーキー 写真ノ愛・情(集英社新書)」に、「慈しみが写っていない写真は駄目です。」という荒木さんの言葉があった。先日、タカ・イシイギャラリーで観た、バルコニーで、写した怪獣たちの写真を、「いとおしい気持ち」という言葉で、わたしは感じたけど、荒木さんは、「慈しみ」という言葉で、あらわしていた。「写真の愛・情」には、「バルコニー」という一章もあって、このマンションに陽子さんと、荒木さんが、引っ越した頃からの、時間と写真のことが、つづられていた。チロちゃんも、もういないのだ。
梅ヶ丘の帰りに、上町のスーパー、オーゼキに寄ってみた。いつもは、行かないスーパーなので、ものめずらしく、ぐるぐる見て回る。めばる、を買った。
夜、母の家から、夕飯時になり、帰る頃にスエイから、でんわがはいる。「今日は、めばるの煮魚ね」と、夕飯のおかずを知らせる。「いいわねー、たのしみに帰って来るわねー」と、母。母は、一人暮らしになって、ごはんを作って、一緒に食べる人がいることを、感慨ふかく思うのだろう。
上杉隆の「ニュースの深層」によると、「コンピューター監視法」という、法案が、この震災のどさくさにまぎれたのか、とおってしまったそうだ。「インターネットにおけるデマや、風評はこれを、プロバイダー等に政府が削除要請できる」という法案。上杉さんは、大手メディアが、何も、声をあげずに、この法案がとおってしまったことを、嘆いている。こういった、インターネットの規制は、エジプトのムバラク政権や、リビヤのカダフィ政権下で、おこなわれていることで、先進国である、日本で、このようなネット規制の法案が、まかりとおるのは、異常なことらしい。「現代版・治安維持法」と、ブログに書いている人もいた。ひゃー、日本は、後進国の仲間入りだろうか。
今回の、福島原発事故でも、ネットをみなければ、得られない情報は、たくさんあったし、東電の、遅すぎる情報公開や、漏れてない、漏れてない、安全、安全、など、ネットをみなければ、確かめられないことが、たくさんあるなかで、ネットが政府に規制される法案が、とおったというのは、おそろしいことだ。だいじょうぶか、日本。そうでなくても、日本政府の、対応には、大本営という戦前の呼び方が、使われ出しているのに。日本は、言論統制されるような、国になっていくのか。

マンションは朽ちてゆくのに、若葉が青々と

裏にまわって、古城をみあげる

